16スターズオンアース(爆弾情報馬)
イクイノックスが引退し、ルメール騎手がスルーセブンシーズと同馬を天秤にかけて、選んだのがこの馬となります。
この馬はポジションを後ろにしてその分仕掛けを強く意識する競馬でロングスプリント性能を一気に高めてきただけに、今回もロングスプリント戦になれば能力的には上位の1頭と言えます。
秋華賞は骨折明けの1戦で完成途上の馬体でしたが、直線で前が壁になる不利がありながらもコンマ1秒差の3着に好走しており、能力的にはこの馬は3冠馬に相応しい1頭と言えます。
秋華賞の後は左前の繋靱帯炎を発症して休養となりましたが、脚元が落ち着くのを待って慎重に立ち上げて大阪杯ではハナ差の2着に好走しました。
ただ、大阪杯は4-4Fで見ると47.5-46.8でしかないため、後半も46.8ならマイル戦ではもっと上げてくる必要がありましたが、2走前のヴィクトリアマイルでは距離不足のなかでも3着に健闘し、「2000m以上あった方が良い」とルメール騎手が話しており、距離延長となった前走のジャパンカップでは半年ぶりの競馬で3着に好走しました。
フレッシュさが大きなポイントとなる有馬記念ですが、叩き2戦目となるこの馬にとってはベストのローテと言え、中山での仕掛け意識が強いルメール騎手騎乗で期待が大きい1頭と言えます。
13タスティエーラ
今年の皐月賞はそこまで高いレベルのレース内容ではなかったため、皐月賞2着を高く評価するのは危険ですが、適性面で見たときにこれまでになかったパワー型スピードを求められて好位で流れに乗っても崩れなかったのは大きな収穫と言えます。
少なくとも皐月賞の条件で真ん中より前で唯一残れた馬だけにそれなりの評価は必要で、弥生賞ではスローバランスでコーナーで動いて早めに勝負を仕掛けて抜け出す事ができていました。
ダービー(1着)では好位5番手を追走して道中は完璧に折り合えており、前半1000mが60.4秒でこの馬の位置ではスローと言える流れで折り合えてたため、コントロールの不安が無い点は今回の舞台では大きな材料と言えます。
菊花賞や春の天皇賞といった長距離G1レースでは休み明けでの好走が難しいのは過去のデータでも明らかですが、その中で菊花賞で2着に好走できたのは評価ポイントとなります。
現状、3歳馬はレベルが高いとは言えませんが、その中でもこの馬だけは評価する必要があります。
15スルーセブンシーズ
ここに来て本格化してきた馬で、中山牝馬ステークスはレース内容、レースラップともに非常に優秀な内容でした。
父ドリームジャーニーは宝塚記念勝ちのステイゴールド系で、母父もクロフネなら血統的な不安はありません。
中山牝馬Sの時計は過去10年で最速となっており、勝ったこの馬は瞬発力勝負を勝ったように見えますが、レースラップを見ると持久力勝負のレースと言え、この展開を一頭だけ瞬発力勝負のようなパフォーマンスを見せて勝ち切りました。
ヴィクトリアマイルは間隔が詰まるのでパスし、非根幹距離の宝塚記念ではイクイノックス相手にクビ差の2着に好走し、凱旋門賞では4着に大健闘し、今回はアイアンバローズ陣営が消耗戦を示唆しているだけに前半が速くて消耗する流れとなる可能性が高く、内でロスなく進めてラストで外に出していければ面白い存在と言え、中山牝馬Sのような流れになれば激走が期待できる1頭と言えます。
10ジャスティンパレス
菊花賞は58.7-62.7-61.0とかなりのハイペースバランスで、12.1 - 12.1 - 11.9 - 11.9 - 12.2 - 12.9と後半も3~4角でポテンシャル勝負となっていました。
ここでは前半のスピード面を強めに求められましたが、大外枠から積極的に進めて好位に近いところで運べており、その分3~4角でロスを最小限にする事ができました。
結果的にボルドグフーシュにはラストでねじ伏せ切られましたが、次走の阪神大賞典は3~4角でペースが一気に上がっていく中で手が動いてスペースを維持しつつ最短距離を通し、4角でもアフリカンゴールドの直後で進めて出口で外に出す際に捌き切れず少し接触してブレーキ気味となり、立て直してL1で2列目からスッと抜け出して1馬身3/4差の完勝となりました。
ジャスティンパレスにとってのベストは高速馬場でのロングスプリント戦で、スローの流れで良い位置を取り、そこから3~4角で仕掛け切る展開をしっかりと最短距離で通し切ってラストまで良い脚を維持できるのがこの馬の強みと言えます。
高いパフォーマンスは神戸新聞杯、菊花賞、阪神大賞典といずれも軽めの馬場となっていましたが、3走前の春の天皇賞では道悪馬場でも勝ち切る事ができており、次走の宝塚記念ではイクイノックスと同じように3~4角で外々を回す形になっていながらも、L1で食らいつけたというのは大きな材料と言えます。
秋初戦の天皇賞ではイクイノックスの2着に好走し、2戦目となる今回は横山武騎手の継続騎乗で更に上昇してきそうな1頭と言えます。
5ドウデュース
皐月賞の力関係で言えば、ジャスティンパレスには内容的に完封できており、皐月賞は馬場自体は標準ぐらいだった中でポテンシャルで分散しつつ2段階加速で動けているため、本質的にある程度長距離的な競馬にも対応できる素質は示していました。
気性面での課題は抱えていますが皐月賞の感じからも単純な長距離適性は示しており、有馬記念適性そのものは見せている存在と言えます。
8ライラック
以前は揉まれ弱さがありましたが今秋に本格化した同馬。
2走前の府中牝馬Sは明らかに距離不足に見える条件で位置を取って瞬発力勝負に対応する事ができており、前走のエリザベス女王杯は内枠が上位独占したレースで外枠から位置を落として差す競馬であと30mあれば差し切っていたような最速上がりで差し込んできたのを見ても強い競馬はできていました。
中山コースはフェアリーステークスで外を回す競馬でスターズオンアースを破っており、父がステイゴールド系で母父がキングカメハメハという血統からも有馬記念適性は高いタイプと言えます。
9ヒートオンビート
3走前の目黒記念は10番枠から五分のスタートを切り、そこから様子を見つつ無理せず中団馬群の中目で進めていく格好となりました。
道中は中団の中目で折り合い重視で進めて内目を通し、3~4角でもカントルの後ろから出口で中目に誘導して直線序盤で右手前に替え、好位列の後ろまでもってきてL2で中目から捌いてL1で渋太く伸びてアタマ差の勝利となりました。
ここは府中らしい競馬でロングスプリント特化の流れになっており、その中でL1で伸び切ってディアスティマを楽に捕えてきたのは評価できます。
目黒記念も昨年のアルゼンチン共和国杯も上手く立ち回れており、3~4角からじわっと引き上げてのロングスプリント特化の競馬で高いパフォーマンスを見せているだけに、今回の条件でタイトルホルダーがロングスプリント戦に持ち込むなら特化タイプとしての一撃が期待できます。
4タイトルホルダー
昨年の宝塚記念はかなり驚かされた内容の勝利と言え、かなりのハイペースで57.6とスピードの質をかなり高いレベルで求められた中、タイトルホルダーの位置でも58前後ぐらいで流れになっており、ハイペースで入って淀みなく淡々とした競馬でレコード勝ちを決めました。
この馬はこれまで淡々とした流れでは甘さ見せており、道中で中緩みが発生するレースで高いパフォーマンスを示していました。
一昨年の有馬記念では3~4角で勝ちに行く競馬でもコーナーでそこまで違いを作れませんでしたが、宝塚記念では3~4角で常に違いを作れており、コーナーでディープボンドが置かれていたため、タイトルホルダー自身の成長によるパフォーマンス向上か、コース適性の差で違いを作る事ができていました。
この馬の場合は以前から右手前で負荷が掛かった状態でのコーナリングが得意な面を見せていたため、コーナリング的にそこそこきついカーブがずっと続く中山内回り(長く1回のコーナリング)より、3角入りと4角出口だけきつい阪神 の内回り 2回のコーナリング)が合っている印象があります。
時系列で見ても菊花賞(阪神)5馬身差の圧勝→有馬記念(中山)5着→日経賞(G2の中山)でクビ差勝利)→天皇賞・春(阪神)7馬身差圧勝→宝塚記念(阪神)2馬身差のレコード勝ちと、阪神と中山で明らかにパフォーマンスが異なるだけに、4走前の中山戦の日経賞では取りこぼす可能性も考えていまいた。
それが終わってみれば8馬身差の大楽勝となっており、宝塚記念の内容や前走の内容からも適性条件を大きく広げてきた可能性が高いように思えます。
2走前のオールカマーは「先を見据えた調教過程」との事でしたが2着に好走できており、前走のジャパンカップ時に「本質的には次の有馬記念で注目したい1頭と」と会員様にお伝えした通り、今回が狙い目の1頭となります。
ただ、馬場が重くなるほど相対的にパフォーマンスを高めるため、馬場がそこまで重くない場合には横山騎手が積極的な競馬をする必要があります。
前走はパンサラッサがいた中で甘いレースメイクを見せていただけに、パンサラッサが不在のここは信頼度は落ちます。
1ソールオリエンス
中山内回りの皐月賞はシンプルにソールオリエンスだけL1の伸びが異次元で、ここはレースラップから相当速いラップを踏んでいると言えます。
この馬自身遅くても11.5は使えている計算となり、そうなると余力的にもかなりのものがあっただけに、距離は延びても問題無いタイプと言えます。
また、京成杯や皐月賞ではL1の坂の登りで余力をもって加速してきており、距離という点でもL3-2に跨って上り坂がある府中の舞台は適性的にマッチする可能性が高く、皐月賞以上のパフォーマンスが期待できる1頭と考えました。
ただ、ダービーでは「バランス的に内に倒れるような仕草がありました。」との事で、直線では不利なく進めるも2着までとなりました。
菊花賞では不利なく進めて3着となりましたが、今回は川田騎手騎乗でパフォーマンスを落としそうなイメージがあります。
川田騎手は中山内回りでの動き出しの意識が他の一流騎手より低いため、今回の舞台では狙いづらい1頭と言えます。